歩き方について。その2


前回は無駄な衝撃を体に与えず、また歩行に対して無駄な動きをしない
人間の体が本来持っている衝撃吸収能力をちゃんと使う
と言う歩き方をざっくりご紹介しました。
では実際にどうすればそういった歩き方ができるか。

何をおいても一番大切なのが「重心軸」です。
よく皆さんは地面からまっすぐ(垂直)の線と思われるかと思います。
そして往々にして踵重心となっているかと・・・・・・

実際の重心軸は頭頂部(ツボで言う所の前頂、両方の耳孔からまっすぐ
頭のてっぺんに線を伸ばした中間点と考えて下さい。)から両足の間、
拇趾球の約2㎝足首よりを通る線と考えて下さい。
勿論体型等による個人差はありますが、おおむねこの範囲で問題ないでしょう。

さて、この重心軸、実際に体験してみると、結構前傾になっている
と感じると思います。しかし、実際に重心軸を意識し、感覚的にこれをつかむと
日々の動作、椅子からの立ち上がりや、歩行、階段の上り下りといった際に
今までより、軽く、楽に動けることが実感できると思います。

極論と思われるかもしれませんが、歩行に筋力はほとんど必要としないのです。
骨でしっかり体を支え、重心軸の移動(位置エネルギー)を利用すれば
身体は勝手に進んでくれます。筋肉は微妙なバランス調整に使う程度。
だから疲れずに歩けるようになるのです。

先ずは自分の重心軸をしっかりと意識、認識する事が大切です。

また別な患者さんのお話です。
72歳女性、変形性膝関節症で、病院から自宅までの400mの距離が歩けず
タクシーを使っていたのですが、当院へお越しいただき、施療の後、姿勢や
重心軸、歩行法をしっかりと指導させて頂いた結果、半年後にはお遍路へ
行っておられました。
正直此方の方が心配してひやひやしておりましたが、笑顔でお帰りになられました。

重心軸、是非しっかりと認識してください。

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